2017年12月

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12月31日   北の山並

遊水地上空は雲に覆われていたが、北の山々には薄日が差している。
低い山並が日本画のように美しい。

昔のことだが・・・。
三国橋から北を見るとこの山並から一筋二筋の細い煙が上がっていた。
父が、炭焼きの煙だと教えてくれた。
子ども心に、「ああ!」あれが「山のけむり」かと合点したことを覚えている。
今は昔のことなのだが、伊藤久雄が歌う「山のけむり」の歌が頻繁に流れていたので、
一小節目だけ「山のけむりのほのぼのと」を覚えていたのだ。

※「山のけむり」昭和27年(1952年)にラジオ歌謡として発表され、今も歌い続けられている。

                作詞:大倉芳郎
                作曲:八洲秀章

    1 山のけむりのほのぼのと
      たゆとう森よ あの道よ
      幾歳消えて流れゆく
      想い出の ああ 夢のひとすじ

    2 谷の真清水汲み合うて
      ほほえみ交わし摘んだ花
      山鳩の声聞きながら
      行きずりの ああ 君とともに
      下りた峠のはろけさよ

    3 山の煙のたそがれに
      分かれた人のうしろ影
      あとふりかえり 手を振れば
      うすれゆく ああ 淡い夕日が
      染めた茜のなつかしく

伊藤久雄の歌はYouTubeなどで聞くことができるが、散歩人は倍賞千恵子の歌が好きだ。


赤薙山(あかなぎさん)

煙ってはいるが山並の奥、女峰山の右に輝く銀嶺は赤薙山と思われる。
赤薙山は標高2,010mの成層火山。
ウィキペディアには「山頂は高木に覆われており見晴らしは良くない」と余計なことが書かれている。


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12月26日   甘露煮

この地方は云わずと知れた水郷地帯。
古くから、獲れる魚介類は貴重な食材であり住民の現金収入の元であった。
今では遊水地の魚は使われていないが、鮒の甘露煮はお歳暮やおせち料理の定番として人気がある。

「カメラマンの木」近くの川島川魚店で出来立てを撮らせてもらった。

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12月18日   高原山

第一排水門の土手上から北を見ると、なかなか山頂を見せなかった高原山が太平山の奥に存在感のある姿を見せた。

高原山は栃木県日光市、塩谷町、那須塩原市、矢板市にまたがる山でカルデラ火山。
釈迦ケ岳(1,795m)、鶏頂山(1,765m)、中岳(1,728m)、西平ケ岳(1,712m)、剣ヶ峰(1,540m)などの峰だある。

高原山の右(東)には那須岳があるのだが今日も姿を見せない。

参照  

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12月16日   コハクチョウ

前方から大型の白い鳥影。
ダイサギかなと思ったのだが、近づいてくるとサギの飛び方でない。急いでカメラに収めた。
あっという間に飛び去ってしまったが、カメラを確認するとコハクチョウ!
上空を飛ぶハクチョウをカメラに収めたのは初めてなのだが、
いつものようにボケている。

「渡良瀬遊水地の野鳥図鑑」には次のようにある。

 渡良瀬遊水地では、広い湖面を持つ谷中湖が構造上、餌となる水草などが無いので、飛来することは少なく、2・3羽が舞い降りることはありますが、そこで越冬することはありません。

館林の多々良沼、城沼で越冬するものが散歩に来たのだろうか。
館林の白鳥飛来情報によると、
12月15日のハクチョウの飛来状況は、多々良沼22羽、城沼9羽とある。

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12月15日   ヨシ刈り

史跡ゾーンでヨシ刈りが始まっている。
様子を見ると排水の悪い田んぼに使う暗渠ようだと思われる。
暗渠用とは・・・、素焼きの土管の中に入れて田んぼの土の下に埋め込むのだと云う。

ヨシを刈る際に巻き込んだ下草(スゲ等)を手作業で取り去っているのだ。


ベニマシコ

史跡ゾーン駐車場のアキニレにベニマシコ(♂)。
昨日の大荒れから一変して今日は穏やかだからヨシ原から出てきたのだろう。
♂の顔が猿のように赤いので、和名は紅猿子。アトリ科の冬鳥。
北海道や青森県下北半島で繁殖して、冬になると本州以南に渡ってくるのだと云う。
可愛いので人気がある。

上下左右に首を伸ばして採餌している姿はユーモラスではある。

地面に落ちている翼のある平べったい実を開けると、小さな種が出てきた。
ベニマシコはこれを餌にしているようだ。

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12月12日   キンクロハジロ

池内水路に黒っぽい小さなカモ。
近寄って見ると・・・、キンクロハジロのエクスプレスのようだ。
手前が黒っぽいことから♂と思われる。
眼が黄色(金)頭部や背中が黒く、♂はこれから翼が白くなるので、
和名は金黒羽白。カモ科の冬鳥。

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12月8日   チュウヒ

彼方にV字飛行する鳥影。チュウヒだ。
和名は宙飛。冬鳥。
貴重種;絶滅危惧ⅠB類

ノスリのように旋回することがなく、直線的に飛んで行く。
上空でホバーリングするチュウヒを撮りたいと思っているのだが、未だかなわない散歩人ではある。

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12月4日   ミコアイサ

このところ、池内水路に小さなカモが見受けられる。
(下)ミコアイサのエクスプレスのようだが、昨日まで白いものは見えなかった。
今朝は、一羽だけだが白いものが見られたが、まだ換羽進行中のようだ。

冬季には♂の全身が白くなるので・・・、巫女に見立てて、
和名は巫女秋沙。カモ科アイサ属の冬鳥。
白くなった♂の眼の周りが黒いのでパンダガモの異称がある。

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12月1日   三毳山(みかもやま)

曇り空の遊水地から北を望むと紅葉の三毳山が日を浴びている。
関東平野がここで終わる。
佐野市と岩舟町の境にある細長い山で、一見して3つの峰が見えるが地図には青竜ヶ岳と中岳の表示がある。

万葉集には次のようにある。

下野の三毳の山の小楢(こなら)のすまぐはし児ろは誰が(たがけ)か持たむ


青竜ヶ岳

最高峰は右側に見える青竜ヶ岳で229m。
紅葉真っ盛りだ。
手持ちの歳時記を開くと高浜虚子の句があった。

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