2017年4月

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4月29日  谷中村排水器場跡

ヨシ原の中の構造物は谷中村が築いた排水器場跡。
明治27年、湿地を水田化するために排水器を導入したのだが排水効果を発揮できず、
そのためさらに高価なドイツ製の排水器を購入したのだが・・・。
この排水器も機能せず莫大な借金をかかえた村のの財政は破たん状態に陥ってしまった。
このことが、谷中村廃村の要因の一つだと云う。
絵の後方は旧思川の土手。

上部は崩れた所もあるがこの姿は頑強であることを教えてくれる。
この煉瓦は、
1888年(明治21年)11月に設立されに旧下野煉化製造会社煉瓦窯(ホフマン窯)の作られた煉瓦で、
積み方はイギリス積みだと云う。

ホフマン窯

旧下野煉化製造会社煉瓦窯(通称、野木町煉瓦窯)はホフマン式の煉瓦窯で、
1890年(明治23年)から1971年(昭和46年)までの間に多くの赤煉瓦を生産した。
創業時から120年以上経過した現在でもほぼ原型のままでの美しい姿を保っている、
1979年(昭和54年)に国の重要文化財に指定された。
2007年(平成19年)には、「近代化産業遺産群」の一つに選定された。

なお、ホフマン窯建設に使われた煉瓦は、
下野煉化製造会社煉瓦窯に先だって、
1888年1月に設立された東輝煉化石製造所の登り窯で焼かれたものだと云う。

野渡の坂

野木町から遊水地に入る坂の煉瓦の壁もイギリス積みだと云う。

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4月26日  エキサイゼリ

ヨシ原の中にエキサイゼリの大群落。
この季節は、どこに行っても見られるエキサイゼリだが、
史跡ゾーンのここは、散歩人の知る限りでは一番大きな群落だ。
もちろん、トネハナヤスリ、ハナムグラ、ノカラマツもある。

最近、蕾は見かけるのだが、この時間だからまだ開いていないのだろう。

富山藩主・前田益斎(1800~1859)に因んで、
和名は益斎芹
セリ科エキサイゼリ属の多年草。日本固有種で1属1種。

貴重種:準絶滅危惧(NT)


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4月22日  サクラソウ


サクラソウの自生地はヨシ原の中に突然現れるshocking pink!
小さな自生地だから花の頃でないと見過ごしてしまう。

今日のサクラソウは希に見る瑞々しさ。

渡良瀬遊水地ではサクラソウの自生は少ない。
和名は桜草。 サクラソウ科。貴重種:準絶滅危惧(NT)

チョウジソウがサクラソウを取り巻くようにあり、うっかり踏みつぶしそうになる。
トネハナヤスリ、ハナムグラ、ゴマノハグサ、マイヅルテンナンショウも散見できる。

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4月16日  ウラシマソウ

ヨシ原の中に小さなウラシマソウをカメラを地面に着けて撮った。手前にあるエキサイゼリから大きさが推測できる。
この自生地のウラシマソウは10年ほど前に発見したのだが、年々減っているようにみえる。
この個体の仏炎苞は先端がお辞儀をしていない。成熟途上のようだ。
仏炎苞の中の花序から出ている細い付属物を釣り糸に見立てて、和名は浦島草
サトイモ科テンナンショウ属の多年草。

成熟した個体の仏炎苞の中を覗くと、雄花だけで雌花はなかった。

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4月14日  ハシビロガモ

谷中湖北橋から覗くとハシビロガモが♂(左)♀(右)そろって浮いている。
嘴は幅広いことから和名は嘴広鴨カモ科マガモ属の冬鳥。


キンクロハジロ  スズガモ

北ブロックの湖上にごちゃごちゃとキンクロハジロの群。
眼が黄色(金)頭が黒く雄の脇腹が白いので和名は金黒羽白。カモ科ハジロ属の冬鳥。

大きなカメラを構えている撮鳥の人が、
ここ(遊水地)より南から渡去の途中に立ち寄ったのだと教えてくれた。


HPを見ていただいた野鳥の先生から、この鳥はスズガモだとのご指摘があった。
調べてみると、キンクロハジロとスズガモの姿はそっくりだ。
俄か観察者の散歩人にはとんと区別ができない。
飛ぶときの羽音が鈴の音に似ているから和名は鈴鴨だと云う。カモ科ハジロ属の冬鳥。

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4月10日  キタミソウ

3月23日に来たときには新しい個体は見当たらなかったのだが、
今日はかなり大きくなった新しい個体に小さな花が咲いている。

キタミソウは、北海道の北見地方で発見されたので、和名は北見草。ゴマノハグサ科。
貴重種;絶滅危惧II 類(VU)


シマアジ

谷中橋上流の岸辺ででっかいカメラを構えたカメラマンが殺気立って(?)いる。
野次馬となったのだが・・・、ターゲットが何か分からない。
とりあえず、その方向のカモを撮ったところ、シマアジだと云う。
奇妙な名だが食べると美味いので、和名は縞味。カモ目カモ科マガモ属。

Wikipediaには次のようにある。

 ユーラシア大陸北部から中部で繁殖し、冬季になるとアフリカ大陸、東南アジア、インド、パプアニューギニアなどへ南下し越冬する。日本では渡りの途中に飛来し(旅鳥)、北海道で少数が繁殖し八重山列島で少数が越冬する。 

なお、鮨のネタになるシマアジは縞鯵。

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4月8日  蘆の角(あしのつの)

このところの降雨でヨシの成長も順調のようだ。
この姿を俳句の世界では「蘆の角」として仲春の季語になっている。

トネハナヤスリ

史跡ゾーンの遊歩道を歩くと、トネハナヤスリの群落があっちこっちにある。
よく見ると出ているのだが、胞子葉はまだ目立たない。

エキサイゼリ

まだ花はない。

ハナムグラ

5月になれば小さな白い花を咲かせる。

ノカラマツ

ノカラマツの花は6月に咲き始める。

ゴマノハグサ

ゴマノハグサも6月から咲き始める。

ノダイオウ

道端にはギシギシがたくさん生えているが、
ヨシ原の中にあるのはノダイオウ。

ノウルシ

ノウルシも色付いてきた。

タカアザミ

この時季のタカアザミはまだまだ茎を立ち上げてない。
散歩人は、この状態でシロバナタカアザミかタカアザミかを見分ける知識を持ち合わせていないが、
(右)この場所には例年タカアザミがあるので、タカアザミだとしたのだが・・・。

フジバカマ

史跡ゾーンの道端をよく見て歩くと、フジバカマを見ることができる。
広場に、展示用に植えたフジバカマから種子が拡散して芽吹いてきたものと思われる。
よって、純粋な自生とは言えないだろうが、展示用のフジバカマは遊水地の自生地から移したものだ。

ニョイスミレ

谷中湖周回路の縁石の隙間にはスミレやアリアケスミレが咲いているが、
ヨシ原でもニョイスミレが咲き出した。

ワタラセツリフネソウ

絵にかいたような双葉はワタラセツリフネソウ。
渡良瀬遊水地ではどこでもあるといわれるほどだが、遷移もある。

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4月6日  枝垂桜

板倉東小学校の北、道路を挟んだ丘に頼母子の枝垂桜が満開になった。
表示には樹高16m、目通りは2.53m、樹齢は200年余りとある。
弘法大師が杖をさしたものが根を張り大きく育ったとの伝説があると云う。
板倉町指定天然記念物。


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4月4日  キランソウ

キランソウが花を咲かせている。
和名は金瘡小草or金襴草。シソ科の多年草。
根生葉が地面に張り付く様子から、別名に地獄の釜の蓋
紫の花が釜の蓋の隙間から燃え上がっている炎に見立てられたのだろうか。

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4月2日  トネハナヤスリ

ヨシ焼き跡を覗くと、薄い緑の絵の具を塗ったような緑はトネハナヤスリ
ここは大群落。
写真に写っている緑は全てがトネハナヤスリ。
ハナヤスリ科。貴重種;絶滅危惧Ⅱ類(VU)


どかっと雨が降ればヨシ原が賑やかになるのだが・・・。


まだ胞子葉は出ていない。
見頃はヨシが大きくなる前の4月中旬から5月中旬までで、
ヨシが大きくなる6月には消えてしまう。


ハクモクレン

子ども広場北の細長い丘のハクモクレンが見頃を迎えている。
もうすぐ満開になるだろう。

この春には剪定が行われ下部が若干みすぼらしくなったのだ・・・。
地面近くから仰ぎ見ると貴婦人のような趣は不変である。

あと数年経てば、下部の枝が降りてきて一回り大きな姿が見られるだろう。

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4月1日  ヒメオドリコソウ

子ども広場の草地にはヒメオドリコソウの大群落。
オドリコソウに似て。小さいので、和名は姫踊子草
ヨーロッパ原産の帰化植物でシソ科の越年草。


ヒメオドリコソウ(白花)

外来種だから貴重種ということではないのだが、
白花のヒメオドリコソウは珍しい。
子ども広場の草地にはヒメオドリコソウの大群落があるので、
白花もあってもおかしくないとは思っていたのだが・・・、あった!

この付近で白花のヒメオドリコソウを見たのは3所。
役場跡の西斜面にもあったのだが消えてしまってこの頃は見ていない。

突然変異によるものだが、シロバナヒメオドリコソウと呼ぶこともあると云う。

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