2017年7月

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7月24日  ニワウルシ

思川東岸の傾斜林にニワウルシ。ざっと20mもあろうかと思われる大木だ。
葉がウルシに似ていることから「ウルシ」とされたようだが、ウルシとは全く別種で、ウルシのようにかぶれることはない。
かぶれることがないので庭にも植えられたことから、和名は庭漆。ニガキ科の落葉高木。雌雄異株。
中国が原産で明治のころに移入されたようだ。

以前から変な木があるなと思っていたのだが、
特徴のある痩果で確認できた。
谷中湖の谷中ブロックの林にもある。
花を咲かせる雌株の周りには実生と思われる小さな個体がわんさとある。

ウワミズザクラ

傾斜林にはこんなものもある。
昔々、占いのために枝に溝を掘ったことに由来し、
和名は上溝桜。バラ科の落葉高木。

きりたんぽのような、試験管ブラシのような花序で、春にたくさんの花を付けたくさんの実を付ける。
種子を野鳥が好むことから、英名はJapanese bird cherryだと云う。

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7月19日  青蘆原(あおよしはら)

ヨシは青々と育っている。

昼なお暗き

ヨシが密生してトroトロ散歩人の侵入を拒む。この奥は昼なお暗いヨシのジャングル。

ガガイモ

とは言っても・・・。
ヨシに対抗する植物も負けているわけではない。
ここはガガイモに圧倒されている。

ツルマメ・カナムグラ・イシミカワ

ここでヨシを押し倒しているのはつる性植物。ここはツルマメ、カナムグラ、イシミカワの強力な連合軍。

ワタラセツリフネソウ

覗き見るとワタラセツリフネソウの葉が見える。

ヨシにとっては天敵のようなつる性植物だが、実は絶妙な植生を作っている。
昼なお暗きヨシのジャングルの中ではまともな成長をしないワタラセツリフネソウだが、
つる性植物に引き倒されたヨシをすり抜けたワタラセツリフネソウは9月には、
群落となって咲き誇る。



ホソバオグルマ

ヨシ原の縁ではこんなものも花を咲かせている。
和名は細葉小車。キク科の多年草。
貴重種;絶滅危惧II 類(VU)

子ども広場と史跡広場ではアクリメーション財団が保全している群落がある。

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7月15日  ミズヒマワリ

遊水地の少し上流の渡良瀬川の岸辺近くの水の中に白い花を咲かせているのはミズヒマワリ。

ヒマワリに似ているとは思えないが、
和名は水向日葵。中央アメリカ、南アメリカ原産のキク科の多年草。
戦後人為的に移入されたようだ。
愛知県豊橋市で野生化が確認されたのは1995年で、繁殖力が極めて強く関東にも急速に広まった。
特定外来生物

ちぎれた茎からも根を出し成長も早く、駆除の難しい厄介な代物のようだ。

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7月14日  アゼオトギリ

まごころ橋近くの草原にアゼオトギリ。
2009年の夏、ヌマトラノオを見には行って偶然発見した。
アクリメーッション財団がロープを張って観察・保護してきたのだが、
年々減少してしいるように思える。
とかく、野生のものは難しい。
和名は畦弟切。オトギリソウ科の多年草。
貴重種:絶滅危惧ⅠB類(EN)

アゼオトギリの花は午後には萎んでしまうようで、午後2時過ぎには萎みかけていた。
散歩人は、目視では見えにくい黒点を見るのが何故が楽しみにしている。
葉や花弁の隅に見られるこの黒点は何だろう?
いろいろ調べてみると・・・。

「弟切」とは、
弟が秘密の薬草(オトギリソウ)を漏らしたことに怒った兄がその弟を切り殺したと云う伝説に由来し、
この黒点は、弟の血しぶきがかかってできたのだと云う。

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7月9日 ヒメタデ(アオヒメタデ)

ヨシ原の中にヒメタデの群落。
緑白色の花被なので遊水地ではアオヒメタデとも呼んできたが、
これもレッドリスト種のヒメタデだと云う。
和名は
姫蓼(青姫蓼)。タデ科の一年草。
花期は長く5月から11月まで見られる。
貴重種;絶滅危惧II 類(VU)


道端やヨシ原の縁で見られるものは大きくても50~60cmほどだが、
大きく育ったヨシの中では光を求めてさらに背が伸びる。
写真右側の個体は120cmを超えている。

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7月6日  ササゴイ

アオサギのようだけど何か違う。
野鳥の先生に見てもらうとササゴイだと云う。
羽根の文様が笹に似ていることから和名は笹五位。ペリカン目サギ科ササゴイ属の夏鳥。
「五位」とは、後醍醐天皇がサギに五位の位を授けたから・・・?

「ピユー」と澄んだ声で鳴くようだが、聴覚が劣化した散歩人には聞こえていないかも。

散歩人の目的はあくまでも散歩なので、野鳥を追いかけることはないが、時にこんな鳥に出会えるのが遊水地だ!

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7月3日  エゴノキ

思川東岸の遊歩道脇にエゴノキ。
子どもの頃、近所にこの木があった。実を砕いて水の中で擦ると泡だったのでシャボンの木と呼んでいた。
調べてみると、シャボンの木の名称はこの地方だけの子どもの方言ではないようだ。
昔は石鹸のように使われたようだが・・・、有毒だと云う。
エゴノキ科の落葉小高木。

黄色っぽく房になっているのはエゴのネコアシ。

エゴノネコアシ

実のように見えるがこれは虫こぶ(虫えい)。
猫の足に似ているので猫足

割るとすでに羽化した虫が見られる。エゴノネコアシアブラムシだと云う。

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7月2日  シロネ

地下茎が太く白いから和名は白根だと云う。シソ科の多年草。
このところの降雨で瑞々しい小さな白い花をを咲かせた。

Wikipediaには次のようにある。

 晩秋から初冬にかけて、白い地下茎を掘りとって食用とする。きれいに洗って泥をおとし、熱湯でゆでてから、みそ煮、辛子マヨネーズなどで食す。生のまま、天ぷら、バター炒め、フライ料理などにも利用できる。

漢方では地瓜児苗(ちかじびょう)で、血行改善や鎮痛、消炎、利尿に薬効があるようだ。

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7月1日  神 輿

谷中村廃村の際村外に譲渡された神輿が帰ってきた。
この神輿は、旧大平町牛久自治会がの雷電神社にまつってきたもの。

谷中村は1906年(明治39年)に旧藤岡町に合併させられ廃村となった。
廃村後も村に残った16戸が強制破壊されたのは1907年のことで、
今年は110年になるのを記念して里帰りしたのだ。

あいにくの雨天であったが、
役場跡前の広場から雷電神社、延命院、共同墓地まで繰り出された。

(昨年は旧大平町の藤井自治会が保存する神輿が7月2日に里帰りしている)


余談だが・・・。

強制破壊にも仮小屋を作って抵抗した農民もいた。
当時の写真を見ると、屋根にヨシをのせ四方もヨシで囲っただけで、
子どもでも作れそうな隠れ家を少しだけ大型にしたような代物だった。
仮小屋で悲惨な生活を強いられた居留民も1917年(大正6年)に反対運動を断念したと云う。


ウオッチングタワーの東、めったに人の入らないヨシ原に杭が一本。
最後まで抵抗した染谷与三郎屋敷跡の杭には、仮小屋に10年とある。

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