2017年9月

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9月29日   オオモクレンジ

谷中湖周回路脇の草地に奇妙な袋果が見えた。
袋の中には種子が二つ入っている。
この時季ここを通ることが少ないので昨年まで見逃していたオオモクレンジ。
和名は大木欒子。中国原産でムクロジ科の落葉高木。別名に袋実木欒子

昨年9月には最初に発見した木にド派手な花が咲いていた。

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9月26日   ヒメミカンソウ

道端にヒメミカンソウ。撮って拡大するとこんな可愛い実。

ミカンの実に似て小さいから、 和名は姫蜜柑草。コミカンソウ科の一年草。

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9月22日   ニオイタデ

見落としているのか数が少ないのか、しばらくお目にかからなかった。
劣化した嗅覚でも、鼻を近づけると微かな香りがする。

茎には白い腺毛がある。目視できないが短い腺毛がありそこから出る液体が香りの元のようだ。
和名は香蓼。タデ科の一年草。

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9月20日   ヤナギタデ

    ヨシ原の縁に柳蓼が小さな花(花弁に見えるものは萼)を咲かせている。
(赤みを帯びているもの(右)もある)
葉が柳の葉に似て、花序がしだれ柳のように垂れていることから、
和名は
柳蓼。タデ科の一年草。別名に本蓼があり、単に蓼というとこの柳蓼を指すのだと云う。

葉は苦く、「蓼食う虫も好き好き」はこのヤナギタデに由来する。
数日前にも葉を2枚採って口に入れたが、「苦いの苦くないのって・・・」ということになった。
すぐに水を含んでゆすいだが、しばらくは舌が痺れていた。

苦いので、古くから香辛料や民間薬として使われている。
双葉は刺身のつまとして使われるから、日本人の多くがこの苦みを体験していることになるのだが、
葉の苦みとは比べようもない。
未体験の方にはぜひ試みることをお勧めします。


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9月19日   ワタラセツリフネソウ

延命院廃寺の丘の端。
今年はここにワタラセツリフネソウの大きな群落が現れた。
今が花の盛り。

幾つかの花を覗くと、4つの花型のうち白斑点型と黄色斑点型の2種が確認できた。

ワタラセツリフネソウは2005年新種として発表された。
その発表者の1人である研究者のページには次のようにある。

2 ワタラセツリフネソウの花の4型
 興味深いことに、ワタラセツリフネソウには花の4型があります。
花の内部に、黄色い部分があるものとないもの、斑点があるものとないもの、その組み合わせで4型があるのです。
 同一株に生じる花はすべて同じタイプなので、おそらく遺伝子で決まっていると考えられます。渡良瀬遊水地ではその4型がすべて見られますが、同一群落内に4種類が共存していることもあります。
このことはツリフネソウでは観察できないことです。
 


カナムグラ

このでヨシやオギを覆って引き倒したしたのはカナムグラ。
ワタラセツリフネソウは倒れたヨシやオギとカナムグラの間をかいくぐって日の目を見たのだ。
ここのヨシやオギがつる性の植物に倒されず伸びきっていれば、
ここのワタラセツリフネソウはヨシやオギの中で不完全成長したことになる。

強靭な蔓を鉄に例えて、カナムグラの和名は鉄葎。アサ科の一年草。
ヨシやオギにとっては強敵だがワタラセツリフネソウにとっては救いの神ということになる。

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9月18日   西の山々

台風一過。
大気が澄んで関東を取り巻く山々が姿を現した。
西にはいつもは霞んでいる荒船山も船形の姿を見せている。

荒船山(あらふねやま)

荒船山は群馬県下仁田町と長野県佐久市にまたがる。標高は1,423m。

地図上で荒船山と筑波山を直線で結ぶと、その線上に渡良瀬遊水地がある。
渡良瀬遊水地から見て筑波山はほぼ真東に位置するから、荒船山はほぼ真西に位置することになる。

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9月15日    秋の花

思川東岸傾斜林下の湿地は秋の花が咲き誇っている。

ワタラセツリフネソウに混じって、ミゾソバ(左)とアキノウナギツカミ(右)。小さいが宝石のように美しい。
他のタデ科の植物と同様に花弁に見えるのは萼だと云う。


サクラタデ

彼方には満開のサクラタデの群落。


ホトトギス

傾斜林下は典型的な湿地だが、傾斜林の中には異なる植生が見られる。
傾斜地の隅にホトトギスが一輪咲いていた。

花の斑点が野鳥のホトトギスの胸の斑点に似ていることから、
和名は杜鵑草。ユリ科の多年草。

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9月13日   ヒガンバナ(共同墓地跡)

延命院廃寺共同墓地跡に立ち寄ると、カメラマンが二人。
ヒガンバナが見頃を迎えているのだ。


ヌルデ

谷中湖周回路脇の林からはみ出したヌルデ。

小さな花を咲かせている。ヌルデは雌雄異株。
古くは幹に傷を付けて白い液を採り塗料として利用したことから、
和名は白膠木。ウルシ科の落葉小高木。稀にかぶれる人もいると云う。

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9月9日    スズムシ

そろそろと道を横切ってきたのはスズムシ(♂)。
散歩人の靴に突き当たって「どうしたものか」としばし思案中。
靴を動かすと、飛び上がって草原の中に逃れていった。
聴覚が劣化したために虫の鳴き声が聞えないのが・・・、ちと寂しい。

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9月8日  ワタラセツリフネソウ

史跡ゾーンでもワタラセツリフネソウが咲き出した。

和名は渡良瀬釣船(吊舟)草。ツリフネソウ科の一年草。
渡良瀬遊水地にちなんで名付けられた。

2005年9月の日本植物学会に発表された新種。
学名には、
発見者の大和田氏(渡良瀬遊水地の植物研究者)と
渡邊教授(愛知教育大助教授・当時)の名が付けらている。
Impatiens ohwadae M.Watanabe et Seriz.
詳しくは、研究者(発見者)のHPを参照されたい。

花を覗くと・・・。

黄色・斑点型。

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9月6日  白いキジ(雌)

お盆のころにはヒナを連れていたのだが、今日はヒナはいない。
既に親離れしたのだろうか。

新聞には「体の一部で本来の色が出ずに白くなった「部分白化」の個体とみられる」とある。

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9月4日  長穂の吾木香(赤花)

このヨシ原にはナガボノシロワレモコウ(長穂の白吾木香)に混在して赤みを帯びたナガボノワレモコウがある。
(右)ナガボノシロワレモコウの赤花か?などと軽く考えていたのだが、
今年は(左)濃い赤花がある。

ナガボノアカワレモコウ(長穂の赤吾木香)なのだろうか?
俄観察者には難しすぎるので、ここでは赤い花の長穂の吾木香としておこう。

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9月3日   北川辺こしひかり

北川辺の田圃が空になっていく。
今日の埼玉新聞「加須・北川辺で早場米収穫」の記事に次のようにある。

  北川辺地区は、利根川と渡良瀬川がもたらす肥沃な土壌を生かして、昔から稲作が盛ん。農家の作付の9割以上がコシヒカリを栽培している。4月中旬に田植えを行っていて、8月20日ごろから早場米の収穫が行われている。

「天候不順の8月であったがその割には今年も出来は上々だった。高品質のコシヒカリになった」ともある。

関東では知る人も知る美味い米で、「北川辺こしひかり」としてブランド米になっている。

『道の駅きたかわべ』では精米したものを、
『北川辺農産物直売所・「米人家」コメットハウス』では玄米を、その場で精米して販売されている。

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9月1日  メドハギ

史跡ゾーン砂利道のメドハギは刈り取られる度に逞しく再生する。
古くは占いの筮竹(ぜいちく)にメドハギの茎を用い
めどぎと言ったことから、
和名は「めどぎはぎ」の略で
筮萩。マメ科の多年草。

2~3日前、たまたま見ていたテレビで、
『今でしょ』の林先生が、目処(目途)の語源はメドハギを用いた筮竹からだと説いていた。

ヨシ原の中で細く長く育ったメドハギの茎は、「はぎ」として伝統工芸の高級な簾や衝立などの材料になる。

葉の間から控えめな花が覗いている。

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