2019年4月
4月28日 トネハナヤスリ
利根花鑢の胞子葉が生えそろってきた。
5月の末にはこの中で育んだ胞子を放出して誰もが納得するヤスリになる。
この季節渡良瀬遊水地ではどこでも見られるが、自生地は利根川水系と淀川ヨシ原だけだと云う。
ハナヤスリ科。貴重種;絶滅危惧Ⅱ類(VU)
エキサイゼリ
ヨシ原の益斎芹が小さい花を咲かせた。
名前は、富山藩主・前田益斎
セリ科エキサイゼリ属の多年草。日本固有種で1属1種。
4月22日 ウラシマソウ
思川東岸の傾斜林下に浦島草が10株ほど目視できる 。
サトイモ科の多年草。雌雄異株。毒草。
傾斜林の竹を刈り取ったので姿を現わしたようだ。
仏炎苞の中に肉穂花序がありその先端から糸状の付属物が伸びて垂れ下がる。
(左の写真の左隅に垂れ下がっている)
手繰って測って見たら、ざっと80cmほどあった。
第一調節池にはヨシ原の中にもある。
ウワズミザクラ
思川東岸の傾斜林の上溝桜が満開。バラ科の落葉高木。
和名は・・・。昔々亀甲占いでこの木の枝に溝を彫ったことに由来する。
散歩人は、この花を見る度にきりたんぽを思い起こす。
小さな白い花が筒状にびっしり付いて夏には小さな実がたくさん実る。
鳥たちにとっては絶好の餌となるだろう。
と云うことで、英名はJapanese bird cherry。
遊水地のヨシ原の中にある雑木林にもイヌザクラ(犬桜)とともに自生しているのだが、
その林がヨシ焼きの炎に侵されて年々狭くなっている。やがてなくなってしまうと心配している。
4月20日 フデリンドウ
第三調節池土手の筆竜胆。今が花の盛りのようだ。
草むらに宝石のように咲く。リンドウ科の2年草。
ツルボ群落
第三の土手の蔓穂群落。 ユリ科の球根植物。花期は8~9月。
運が良ければこんな光景が見られるのだが・・・。
花の時期に除草の機械が入ると全滅!
4月17日 ヌマアゼスゲ
賑やかになってきたヨシ原に沼畦菅が花を付けた。
雌雄同花で、上部の茶色い房状の雄花で下に雌花がある。白っぽい毛様のもの(右)は雌しべの柱頭。
カヤツリ科の多年草。貴重種;絶滅危惧II 類(VU)
渡良瀬遊水地では普通にある。
4月15日 菫
子ども広場の一郭に菫の群落。
アリアケスミレ
花の色が変化に富むことから有明けの空になぞらえて有明菫。
ニョイスミレ
伸びた花柄を横から見るとお坊さんの持つ如意に似ているので如意菫。
下向きに咲くので、カメラを地上すれすれにすると可愛く撮れる。別名に壺菫。
4月14日 狸の溜糞
タヌキの溜め糞(ためふんorためくそ)
タヌキは同じ場所に繰り返し糞をする習性があると云う。
だからこんなことになる。
遊水地にはタヌキがいっぱいいるが、
夜行性だから散歩中に見かけることはめったにない。
4月13日 ゴマノハグサ
葉を揉むとゴマの臭いがするということで胡麻の葉草なのだが、
ゴマの臭いがすると答える人は10人に1人ぐらいか。
夏に小さな花を咲かせる。ゴマノハグサ科の多年草。貴重種;絶滅危惧Ⅱ類
トモエソウ
巴草も大きくなってきた。花弁がねじれて巴状になることからこの名が付いた。オトギリソウ科の多年草。
夏には黄色い花が咲く。オトギリソウ科オトギリソウ属では最も大きな花だと云う。
4月11日
昨日は列島の天気は大荒れ。東京にも雪が降った。平成最後の雪なんだと!
明けて、風は強いがピーカンの遊水地から見た山々は・・・。
霊峰富士
新雪に覆われた富士山。これほどクリアーな富士の銀嶺は見た覚えがない。
(左)宝永山付近には雲か雪か・・・、まだまだ荒れ狂っている。
秩父山塊
秩父の山々も新雪に覆われた。真冬でもこんな姿はなかなか見られない。
武甲山
武甲山もくっきり!
北の山々
北はまだ荒れ狂っているが、
根気よく眺めていると、袈裟丸山も白根山、女峰山も時々姿を現わす。上空は晴れているのだ。
参照 ➡
4月5日 ワタラセツリフネソウ
トネハナヤスリの中にごちゃごちゃと双葉が出ている。
渡良瀬釣舟草が発芽したのだ。
ツリフネソウ科の一年草。渡良瀬遊水地にちなんで名付けられた。
2005年9月の日本植物学会に発表された新種。
学名には、発見者の大和田氏(渡良瀬遊水地の植物研究者)と渡邊教授(愛知教育大助教授・当時)の名が付けらている。
Impatiens ohwadae M.Watanabe et Seriz.
詳しくは、研究者(発見者)のHPを参照されたい。
ノダイオウ
ヨシ焼きの炎からかろうじて免れたのは野大黄。
タデ科の多年草。貴重種;絶滅危惧Ⅱ類
初めて出会ったときには、でっかいから野っぱらの大王かなと思ったのだが、
中国原産で耐寒性の多年草の大黄に似ているかららしい。
4月3日 タカアザミ
場所から推測する・・・。
左が6月に白い花を咲かせる白花高薊。
右は、この場所には例年高薊だけが出てくるからという頼りない推測。秋に紫の花を咲かせる。
キク科ノ越年草。
エキサイゼリ
ここはヨシ焼きで根こそぎ焼けたのだが、益斎芹がわんさと出てきた。
もうすぐ小さな白い花を咲かせる。セリ科の多年草。
貴重種;準絶滅危惧
ニョイスミレ
小さいが可愛い花を咲かせるのは如意菫。
既に小さなつぼみが見える。
スミレ科の多年草。
ヨシ原が賑やかになってきた
4月1日 トネハナヤスリ
遠目に見ると、裸になったヨシ原に薄い絵の具を塗ったような緑は利根花鑢。
シダ植物でハナヤスリ科の多年草。
かつては1Aであったが、渡良瀬遊水地にぎょうさんあるのでランクが下げられたとも云われている。
もうすぐ胞子葉も出てくるだろう。
貴重種;絶滅危惧Ⅱ類
ノカラマツ
ヨシ原の道にくっ付くように野落葉松の群落。遊水地ではどこにでもある。
夏には小さな黄色い花を咲かせる。キンポウゲ科の多年草。
貴重種;絶滅危惧Ⅱ類