2019年6月

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6月27日    延命院のトラノオ

共同墓地跡に白い花が咲いている。
日曜日にも地元の人たち(谷中阿村の史跡を守る会)によって除草されたのだが、トラノオは残してくれた。

このトラノオは雑種(ヌマトラノオ♂×ノジトラノオ♀)で極めて珍しい。
花序の先っぽに短い毛のような突起があることと茎に細かい毛があることなどがノジトラノオの特徴を受け継いでいる。
名は付いていないが散歩人は野路沼虎の尾と呼んでいる。

尖った5弁の花が瑞々しい。


ノジトラノオ

レンタサイクル前のミニ植物園に野地虎の尾も堂々とした花を咲かせている。
渡良瀬遊水地では自生地は一か所。ヨシ原の中に1個体。
他の植物に押されて瀕死の状態で、アクリメーション財団を中心に保護活動が行われている。
サクラソウ科の多年草。貴重種;絶滅危惧Ⅱ類

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6月26日    イヌゴマ

ヨシ原の隅から姿を見せたのは犬胡麻
これからの季節、ヨシ原の道を歩くとあっちこっちでみられる。
花が胡麻に似ているからこの名が付いたようだが、一見そのようには見えない。
シソ科の多年草。地下茎を伸ばして増殖するので群落になる。る。

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6月22日    ノカラマツ

ヨシ原の野唐松のつぼみが大きくなってきた。
花の様子がカラマツ(唐松)の葉に似てるからこの名になったと云う。
キンポウゲ科の多年草。貴重種;絶滅危惧II 類(VU)
2012年に
からⅡ類に格上げされたのだが遊水地にはどこにでもある。
下流の渡良瀬川の河川敷にもわんさとある。


近寄ってみると、この子は萼が開いて雄しべ見えている。
ノカラマツの花は、萼4枚、雌しべは4本、雄しべはそれより多い。花弁はない。

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6月18日   ナワシロイチゴ

道端に赤い実が熟しているのは苗代苺。バラ科イチゴ属。
地を這うように伸びて立ち上がらない。茎には棘が密集している。
おいしそうな実だが酸っぱい。口の中には小粒の種が残る。生食向きではないが、ジャムにはなる。
まれに摘み取る人も・・・、今日は摘み取る人がいた。


ヒメコウゾ

姫楮の実小さく上品な甘さがある。つまみ食いには絶好だ。
クワ科コウゾ属の落葉低木。
かつては和紙の材として使われたが、現在は、ヒメコウゾとカジノキの雑種のコウゾが使われると云う。
※カジノキも強靭な和紙の材だ。

ナワシロイチゴ、ヒメコウゾの実はまさに木苺。


Strawberry Moon

朝のテレビで、今でしょうの林先生が6月の満月は、ストロベリームーンとも言うと解説していた。
調べてみると・・・。
6月の満月を言う俗語で、アメリカの先住民の風習に由来し、苺の収穫できる月とのこと。

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6月17日   池内水路

5月21日の降雨によって増水した池内水路に流れ込んだ漂流物は未だ護岸に打ち上げられたままだ。
漂流物に交じって大房藻の塊も流れ込んだ。

一番大きな塊は、10日ほど前の場所からざっと100m上流近くを漂流している。

覆ってきたオニビシの隙間には小さなオオフサモが生き生きと育っているように見える。
オオフサモは切れ端からも再生・繁殖し越冬すると云う。
南米アマゾン原産の水生植物。アリノトウグサ科。特定外来植物

右上にはホテイアオイば2株。これも谷田川から流れ込んだと思われる。
ホテイアオイも南米アマゾン原産の水生植物。はミズアオイ科

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6月11日  ワタラセツリフネソウ

散歩道からヨシ原を覗くと、渡良瀬釣船(吊舟)草が順調に育っている。ツリフネソウ科の一年草。
葉っぱが虫食いになっているが、コガネムシの仕業だ。

マメコガネ

豆黄金のようだ。
「渡良瀬遊水地の昆虫図鑑」には次のようにある。
20世紀初頭アメリカの果樹に広がり『ジャパニーズビートル』と恐れられた。
ここに住んでいると他国からの侵入種にばかり見聞きするが、
日本から流出した種も他国では困りものになっているということ。

YAHOO!ニュースには次のような記事があった。

底意地の悪い英メディアから「イタドリ(Japanese knotweed)首相」と命名されている。

19世紀にシーボルトによって持ち込まれたヨーロッパでは、特に英国で猛威を振るっているという。
英国では、気候や土壌の関係で繁殖力が強く、道路の舗装に亀裂を入れたり、住宅の床を突き破るなど・・・。
英国では忌み嫌われる植物の代名詞になっていると云う。

散歩人は、メイ首相は政局を乗り切れなかったが よくやったと思っている。


ツバメの巣離れ

我が家のツバメのひなが巣離れした。
今日は、巣から近い窓下の梅の木の枝がお気に入りのようだ。
今回は3羽が孵ったようだ。

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6月8日    池内水路


6月に入って池内水路の水位が上がってきた。
例年夏場の水位は護岸のブロック8枚目ぐらいなのだが、その水位に迫っている。
谷中橋上下流の、キタミソウ自生地も沈んだ。


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6月6日    シロバナタカアザミ

ヨシ原の中を突き抜けて大きく成長した白花高薊
枯れヨシをメジャーにして測ると、草丈はざっと3mを超えている。でっかい!
キク科の越年草。

謎のタカアザミ


この時季に花を咲かせるのはシロバナタカアザミなのだが・・・、
秋に咲くタカアザミそっくりの花を咲かせるこの子は?
研究者に聞いても分からない。タカアザミは謎の多い植物なのだと云う。


ノビル

今年の散歩道には野蒜の花が多い。ヒガンバナ科ネギ亜科ネギ属の多年草。
小さな花を咲かせるが結実することはめったにないのだと云う。
こげ茶色のむかごが落ちて増殖する。


紅小灰蝶(ベニシジミ)がさかんに花の中を漁っている。

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6月3日   クワキジラミ


今年は桑の実採りが少ない。原因は桑木虱の大発生。カメムシ目キジラミ科。
調べると養蚕大敵とあるがよく分かる。
この季節、散歩人は散歩の途中でよく摘まむのだが、さすがにこれを見ると引いてしまう。


幼虫が長い紐状の蝋物質を出す。
写真中央が幼虫。右下は間もなく成虫で、蝋物質を出していない。
セミに似て茶色いのが成虫。


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6月2日   タチスミレ

立菫は相変わらず幻の植物なのだが、遊水地では入り易いヨシ原に群落がある。
今年も立派に育っている。


かわいい花だ!
貴重種;絶滅危惧Ⅱ類(VU)


クララ

眩草はマメ科の多年草。
根を噛むとくらくらするほど苦いので「くらら草」➡クララだと云う。
毒草だから・・・、苦参(くじん)生薬にもなる。


地味な花が房状に付いている。

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