2020年4月

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4月30日  コガモ

野鳥観察台から覗くと毎日ここにいるコガモ。この枝がよっぽどお気に入りらしい。
一昨日までは雌もいたのだが、昨日からはこの雄が一羽。ぐずぐずしてるので雌に逃げられてしまったか?
それにしてもいつまでいるつもりだろう。

『渡良瀬遊水地の野鳥図鑑』には 「渡来が早く、渡去は遅く、越夏するものもいるかもしれません」とある。

小型のカモだから小鴨なのだが、頭に覆面を被っているようにも見えるので、デストロイヤーのあだ名がある。

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4月26日  エゾミソハギ

ヨシ原の縁に蝦夷禊萩が瑞々しい姿を見せている。
ここはヨシ原が道より高く、ヨシ原から透き通ったきれいな水が染み出てくる。
エゾミソハギは 遊水地の夏を代表する花で、蝦夷と名が付くが北海道から九州まで分布すると云う。
ミソハギ科の多年草。


昨年10月の浸水によって遊水地全体が水っぽい。
谷中湖史跡ゾーンの明渠、役場跡のハート池はそれ以来水を蓄えている。

水っぽいのが遊水地だから、湿地の植物たちは元気いっぱいの春となった。
このエゾミソハギも夏には華やかに装うだろう。

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4月23日  エキサイゼり

ヨシ原の益斎芹が小さい花を咲かせた。 名前は、富山藩主・前田益斎(1800~1859)に因んで付けられたと云う。
セリ科エキサイゼリ属の多年草。日本固有種で1属1種。
貴重種:準絶滅危惧(NT)

先の日曜日(4月19日)の浸水で葉も花も汚れている。

このエキサイゼりは昨年10月の洪水によってもたらされた粘っこい泥を突き破って芽を出した。
ここに積もった泥の厚さははざっと1,5mm。

昨年10月に積もった泥の厚さは所によって異なり、この近くにも5cm以上積もった所がある。
植物の発芽や成長に影響があるのかと聞かれたことがあるが・・・、
大したことはないと言っていい。

遊水地が整備される前には、土手は外側の堤(周囲堤)だけで、渡良瀬川も思川にも囲繞堤(いにょうてい)(orいぎょうてい)がなかった。
渡良瀬川が増水するたびにヨシ原は一年に何度も浸水していたのだ。
その過酷な状況を生き延びてきた植物たちだから、一度や二度の洪水で消滅することはないだろう。
昨10月の洪水で谷中湖中の島の休憩所屋根が流されるなど人工物は被害を被ったが、ここの植物はそれほど軟ではない。

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4月22日  トネハナヤスリ

利根花鑢は昨年10月の浸水の影響を全く受けてない。
自生地は利根川水系と淀川ヨシ原だけだと云うが、遊水地ではどこでもある。。
5月の末にはこの中で育んだ胞子を放出して誰もが納得するヤスリになる。
若芽を食むとかすかな甘みがある。
ハナヤスリ科。貴重種;絶滅危惧Ⅱ類(VU)

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4月19日  麓峰富士

荒れの昨日の雨で関東の大気が澄んで美しい富士山が現れた。富士には雪が降ったようだ。

女峰山

北の山々も新雪に輝いている。

ヨシ原浸水

渡良瀬川が増水し、遊水地への逆流を防ぐために第一排正門が閉められた。
排水門が閉められると、谷田川の水の行き場がなくなって池内水路にまわってヨシ原を浸水させる。

大した量ではない。渡良瀬川も減水しているので、明日には引いているだろう。

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4月17日  曇天無風

谷中湖の水位が徐々に上がって満水になった。
明日は荒れた天気のようだが、今朝の湖水は静かなもんだ。

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4月15日  タチスミレ

ヨシ刈り跡の立菫自生地。
昨年10月の洪水によって運ばれた厚さ1cm程の泥がびっしりと覆っている。
この写真中央には、割れ目から芽を出した小さなタチスミレがある。

ここには、割れ目の中から4個体、積もった粘っこい泥を突き破ってきたらしい1個体。
いずれも例年よりもはるかに小さい。

ざっと見渡して、この個体が最も大きい。
例年、多くがこの大きさ、またはもっと大きく育っている。
かくのごとく、今年のタチスミレは苦戦しているが5月にはいつものように可憐な花を咲かせるだろう。
スミレ科の多年草。貴重種:絶滅危惧 II 類(VU)


フデリンドウ

第3調節池北の土手に筆竜胆
ヤブカンゾウの葉に隠れるように可愛い花が一輪咲いている。
フデリンドウはいつもの年のように今が花の盛りだ。
リンドウ科の2年草。

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4月9日  カ モ

谷中湖のカモたちは大方北帰したと思われ湖上は静かになっているが、
観察台から覗くと、ヒドリガモ(左)とコガモが数羽。
子の子たちは群れからはぐれてしまったのだろうか。それにしてもいつ帰るのだろう。 


ノスリ

ヨシ原の上空でチュウヒが舞っていたので、近くに来ないかと眺めていると、
後方からノスリが現れて上空を旋回した。


ヌマアゼスゲ

ヨシ刈り跡の沼畔菅が花を付けた。
雌雄同花で上部の茶色い房状の雄花の下に雌花がある。
カヤツリ科の多年草。貴重種;絶滅危惧II 類(VU)
渡良瀬遊水地では普通にある。

シャッターを押したくなる雌しべの柱頭。

※ヨシ焼き跡のヌマアゼスゲはまだ花を付けていない。

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4月8日  チョウジソウ

第二調節池の大きな群落はよく知られているが、
地面が見渡せるこの時季にヨシ原を歩くと思いもよらぬところに丁字草を発見することがある。
ここにはこのような小さな株が数個ある。
5月には人知れず淡い青紫の小さな花を咲かせる。キョウチクトウ科の多年草。貴重種;準絶滅危惧種

これより大きくなると紫がかった濃い緑がやや離れたところからも見えることがある。

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4月6日  キタミソウ

この冬の池内水路の水位は予測が付かない水位の変化だった。
例年のように11月第2週入ると水位が下がって、11月下旬には水位が上がって、暮れに下がって1月中頃にまた上がった。
3月25日に水位が下がった。今日で13日過ぎて小さいながらも北見草が群れている。
北海道の北見地方で発見されたのでこの名が付いた。
生育環境によって1年草、2年草、多年草といわれる。ゴマノハグサ科。 貴重種;絶滅危惧II 類(VU)
既に花が見られる。

小さな5弁の花。
写真右側には既に花を終えて実を熟そうとしている花柄がある。

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4月5日  ツバメ

谷中湖の護岸にツバメの群れ。

既に半世紀以上の前のこと。
どの電線にもツバメが列をなしてとまっていたのは原風景の一つ。
当たることなど想像もしなかったその群れに石を投げたのは、まだはなったれ小僧だったころ。
・・・、ツバメが1羽真っ逆さまに落ちてきた。

ツバメの群れを見ると思い出す古い小さな心の傷!

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4月4日  ヨシ原

ヨシが伸びてきて尖って見えることから、この様子を古来から葦角(あしづの)又は葦の角と表現されてきた。
春の季語で、手持ちの歳時記には散歩人の心を見透かしたような句もあった。

ヨシの間に点々とある緑はワタラセツリフネソウの双葉なのだが・・・、


秋には、伸びたヨシのジャングルの中で人知れずひっそりと咲く。

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