2020年5月
5月28日 コヨシキリ
枯れヨシの上でさえずっているのは小葦切。
劣化した聴覚ではよく聞き取れなかったが「渡良瀬遊水地の野鳥図鑑」によれば、
「ピッピッピッ、ピイピイ、ジジ、ピッピッチリリ」だそうだ。
ウグイス科の夏鳥。
カンムリカイツブリ
湖水にはカンムリカイツブリが一羽。夏羽に変わっている。
居付いてしまうのだろうか。
カイツブリ科の冬鳥。
5月25日 カワヂシャ(?)
このところ気になっていたこの植物は何だろう。
カワジシャのように見えるが、調べてみると似たものにホナガカワジシャがある。
カワジシャは在来種だがホナガカワジシャはカワジシャとオオカワジシャの雑種だと云う。
俄か観察者だから自身はないがカワジシャとした。
カワジシャのジシャとはノジシャと同じでレタスのこと。
カワジシャはゴマノハグサ科の多年草。貴重種;準絶滅危惧種
オオカワヂシャ
これは間違いなくオオカワヂシャ。ヨーロッパ、アジア北部原産の帰化植物。
ゴマノハグサ科の多年草。特定外来植物
5月24日 タチスミレ
ヨシ原の中の立菫が可憐な花を咲かせている。
低温が続いたからか、今年は花が遅い。
この自生地は昨年10月の浸水で粘り気のある泥に覆われた。(下は5月1日の状態)
1cm~3cmほどの泥の中から芽を出すのに苦戦を強いられたが、立派に成長した。
スミレ科の多年草。貴重種:絶滅危惧 っピ 類(VU)
5月21日 マイヅルテンナンショウ
密集したスゲの中に堂々とした葉を見せているのは舞鶴天南星。
仏炎苞の中にある花序の細い付属体が見える。
葉の下を覗くと・・・。
まだ仏炎苞は開いていない。
この鞘の中の花序に雄花と雌花がある。(葉の下にある仏炎苞の中には雄花と雌花がある)
鞘の最下部もふっくらとしている。
変わった姿のマイヅルテンナンショウもある。
小葉が極端に細い。一見異なる種のように見えるが、ちょっと変わっているだけのようだ。
サトイモ科の多年草。 貴重種:絶滅危惧 II 類(VU)
5月17日 タチスミレ
ちょっと寄ってみた立菫自生地。
オギやノカラマツ、ハナムグラなどに囲まれていたが根元から花まで20cmほどの草丈。周りにもあるが花を咲かせているのはこの子だけ。
スミレ科の多年草。貴重種:絶滅危惧 II 類(VU)
5月15日 マイヅルテンナンショウ
背丈を超えるヨシを分け入ると、ここには今年も舞鶴天南星。
既に仏炎苞が立ち上がっているが、この仏炎苞の中の花序には雌花はないだろう。
(雌花のある仏炎苞は葉の下にある)
サトイモ科の多年草。 貴重種:絶滅危惧 II 類(VU)
2年ぶりに訪れたこの自生地は危うい。掘り取られたと思われる穴がいくつかある。
柳 絮
今年、谷中湖の周辺では柳絮が舞っていなかったのだが、ここにきて浮遊する綿毛が見受けられる。
注意深く見ると、谷田川の河畔には綿毛を持った柳が幾つかあって放出し始めた。
例年よりもかなり遅い
アスファルトの隙間に生えるノミノツヅリも綿毛に埋まっている。
ちなみに、俳句の世界で「柳絮」は仲春の季語だ。
5月12日 キタミソウ
池内水路に北見草。
渡良瀬遊水地のキタミソウは2011年に自生が発見された。
池内水路は11月初旬に水位が下がって、川底の一部が露出する。
キタミソウはその川底に芽を出す。
川底が露出後11月下旬ごろから発芽するのだが・・・、
小さな個体は厳冬期に霜柱によって持ち上げられてほとんどが枯れてしまう。
(この冬は水位が上がって見ることができなかった)
春に芽を出す個体は順調に育ってこんなふうになる。
しかし、例年5月(昨年は6月初め)に池内水路の水位が上がって水没してしまう。
確かめることはできないが、水中で枯死すると思われる。
ゴマノハグサ科。貴重種;絶滅危惧II 類(VU)
フウセンモ
痛い腰を屈めて探すと風船藻が見つかった。ようやく目視できるほどに小さい。
フウセンモはフシナシミドロ目フウセンモ科フウセンモ属の藻類。
肥沃で湿り気があり日当たりのよい地上に現れると云う。
撮りかえって開けてみると・・・、びっくり!
極小個体が無数にあった。
※ 池内水路は5月20日に水位が上がってキタミソウの自生地は水没した。
5月7日 コギシギシ
道端に痩果(実)棘があるコギシギシ。
タデ科ギシギシ属の多年草。貴重種;絶滅危惧Ⅱ類(VU)
多年草であるが油断ができない。昨年見たからといって同じところに今年も出るとは限らない。
「来年もあると思うな・・・」の類で神出鬼没!
5月5日 ヒメコウゾ
道端の姫楮が花を付けた。(コウゾは雌雄異株だからこれはヒメコウゾ)
下の大きいのが雄花で上の毛むくじゃらは雌花。
熟した実は上品な甘みがある。
和紙の原料として使われるコウゾは、ヒメコウゾとカジノキの雑種だと云う。
クワ科コウゾ属の落葉低木。
余計な話で恐縮だが・・・。
雄花の形は、今猛威を振るっているウイルスの形そっくりではないか。そういう目で見ると雌花もウイルスっぽい。
チョウジソウ
ヨシ原の中のチョウジソウが花を付けた。
道からは目視できないが、その方向にカメラを向けて撮って帰り、PCで開けると青い花が見えた。
キョウチクトウ科の多年草。貴重種;準絶滅危惧種
トネハナヤスリ
利根花鑢の胞子葉から粉のような白い胞子が離れ始めた。
胞子を吐いて、成長したヨシの日陰になるころには葉を枯らして土の中で休眠する。
ハナヤスリ科。貴重種;絶滅危惧Ⅱ類(VU)
5月2日 アズマツメクサ
ヨシ刈り跡に積もった厚さ1cmほどの泥から突き出て育った東爪草。
べったりと地に這っていた茎が立ち上がってきた。粘っこい泥が水分を補給しているのだろ。今年はよく育っている。
目視では見えないほど小さな花は1mm~1.5mm程度。
開きかけている花が見える。
ベンケイソウ科の一年草。貴重種;準絶滅危惧種
5月1日 タチスミレ
暖かくなったが泥の中から出てきた立菫は苦戦している。
それでも割れ目の中から地上茎が見え始めた。しかし、地上茎の多くはまだ泥の割れ目の中にある。
昨10月の洪水によってもたらされた泥の厚さは、ここではざっと2.5cmほど。
、