2020年8月
8月26日 クビアカツヤカミキリ(フラス)
遊水地内に植栽されている大きなソメイヨシノの幹から噴き出しているのは・・・、
首赤艶天牛のフラスのようだ。
(フラスとは昆虫の幼虫などが樹木に穴をあけたときに排出する糞と木屑が混ざったもの)
根元にもフラスが積もっている。
クビアカツヤカミキリは中国や朝鮮半島などに分布する昆虫で、日本では2012年に初めて発見されたと云う。
サクラやモモの木を食害する害虫で、日本では2018年に特定外来生物に指定されている。
散歩人が発見したのは一本の木だが他にあるかは分からない。
いずれにしても素早い対策が望まれる。
8月20日 サクラタデ
桜よりも桜らしいのは桜蓼。
シロバナサクラタデがかなり水っぽい所にあるのに対してサクラタデはヨシ原の縁などでも見られる。
雌雄異株でこれもまた雄花と思われる。
タデ科の植物は花弁はなく、花弁に見えるのはガクだと云う。
ナンバンギセル
イネ科植物の根に寄生する南蛮煙管。ハマウツボ科の一年生植物。
ススキに寄生させたものが園芸店などで売られているが、遊水地ではオギに寄生する。
古名は「思ひ草」。万葉集にも詠われている。
イネ科の他にミョウガやギボウシにも寄生すると云う。
可愛い野草として人気があるが、陸稲やサトウキビに寄生すると害草となる。
8月17日 シロバナサクラタデ
よく晴れていたので花がしっかり開いている白花桜蓼。タデ科の多年草。
雌雄異株で、この花は雄花のようだ。
ようやく秋の花が咲きだした。
ツルボ
可愛らしい花で人気のある蔓穂。
花の盛りはこれからで、9月ごろ咲く花ピンク色が濃くなるだろう。
キジカクシ科の多年草。球根は有毒だと云う。
第3調節池の土手に大きな群落がある。
8月9日 オニバス(北川辺)
北川辺の鬼蓮が見ごろを迎えた。瑞々しい花が美しい。
9月になっても花は見られるが今が適期!
オニバスの花は朝に開き始めて午後には閉じていくので、よく晴れた日の昼前が最も大きく開く。
自生地は北川辺のほぼ中央。
ここは、かつては利島村と川辺村の境で細長く大きな越中沼があった。
昭和30年代に利根川と渡良瀬川の川底を浚って埋めたてられ田圃になって、中央に1mほどの排水路が作られた。
昭和57年、その排水路にオニバスが復活した。
スイレン科の一年草。ここは埼玉県では唯一の自生地。貴重種:絶滅危惧 II 類(VU)
8月4日 満 月
遅い梅雨明けから三日。晴れ上げた夜空に月が美しい。
今日は旧暦の6月15日、月齢14,4の満月!
古くから8月は葉月というが、旧暦では今日はまだ6月なのだから水無月ということになる。
なお、今年の十五夜(旧暦8月15日)は10月1日。
8月1日 浮 島
谷中湖谷中ブロックの浮島は湖水の浄化の目的で設置されたと云う。
古い地図を見ると大小12個ある。
時がたってかなり劣化したものもあるが、周りを浮きで補強したこの浮島はほぼ原形を維持している。
左と中央付近に赤い花が見える。
モミジアオイのようだ。もちろん植栽されたものではない。
一般の人が立ち入ることができないので散歩人にはどんな植物があるか確認できないが、
遊水地で初めてジョウロウスゲ見つかったのは浮島だと聞いている。
カジノキの実
青い実の中で熟した種子が飛び出てきた。
種子の周りを覆っている赤いゼリー状のものは甘く、野鳥が啄み種子を拡散するのに好都合ということだ。
カジノキはクワ科の落葉高木で樹皮の繊維が和紙になる。
コウゾ(カジノキとヒメコウゾの雑種)が和紙の原料としてよく知られているが、一般にコウゾと言われるものにはカジノキも含まれているようだ。
清水寺のお水取りで用いられる紙子はカジノキで作られる。