2022年5月

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5月30日   コアジサシ

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湖上を高速で飛び回っているのは小鯵刺
散歩の途中に1羽や2羽は見かけることはあるが、今日は群れを成している。
この画面だけで12羽。これほどの群は見たことがない。
時折水面に突入して小魚を狙う。

カモメ科の夏鳥。
貴重種;絶滅危惧II 類(VU)

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5月29日   木 陰

お気に入りの木陰だがここも特別に暑い。
報道によると、佐野市では34.2°で猛暑日になったようだ。
一昨日から昨日の降雨と強風によって谷中湖周回路わきのカロニナポプラも広場のアキニレも倒れた。
波乱含みの夏の予感!

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5月26日   コモチマンネングサ

谷中湖護岸の吹溜りに子持ち万年草
花はツルマンネングサに似ているが茎が地面を這って延びることはない。
ベンケイソウ科マンネングサ属の越年草。日本、中国、朝鮮に分布する。

葉の付け根にムカゴをつける。これがこぼれて根を出し繁殖する。
花は咲くが種子はほとんどできないのだと云う。

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5月25日   ツルマンネングサ

縁石の隙間に蔓万年草
花の咲いていない茎が地面を這って四方に延びている。
乾燥にも寒さにも強いことから万年、蔓のように茎を伸ばすことから付いた名前だと云う。
ベンケイソウ科マンネングサ属の多年草。中国、朝鮮原産の帰化植物。
花は今が満開のようだ。

中国では垂盆草といい薬草として、韓国では野菜として食べられる。
肝機能の向上などの効果があることから、日本でも健康食品、サプリメントとして利用される。

乾燥や寒さにも強いので屋上緑化、グランドカバーなどにも利用されているようだ。

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5月23日   谷中湖満水

5月に入って谷中湖は満水になり、護岸に生えた柳も湖中の風景になった。
昨日は学生のトライアスロン大会も開催されている。
岸辺に降りてみると・・・。

最近孵化したらしい小さな魚が群れていた。
3種類いるように見える。

3月にはハクレン、5月にはフナなどの大量死で惨憺たる谷中湖だったが、今日は平和な水辺でした。

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5月21日   桑の実

桑の実が熟してきた。
この地方では黒く熟した桑の実を「どどめ」と言った。
今は昔のことだが、
子どものころには、家でも学校でも青梅と「どどめ」は食べてはいけないと厳しく言われていた。
青梅には毒があり、肥溜めがあった当時はそこから発生するハエが「どどめ」にたかっていたから確かに不衛生だ。
とは言っても、
青梅は塩を付けてかじるとうまいから隠れて食べていた。
近所に桑の木の大木があって、道に落ちた大きい「どどめ」はことのほか美味しかった。

この時期の散歩では、肥溜めが無いから大丈夫と言い聞かせて5つ6つの桑の実を食べる。

ところで、この桑の木の枝には白いものが付着している。


クワキジラミ

この白いものはカメムシ科の昆虫、桑木虱の幼虫が尻から排泄する白蝋物質。
クワキジラミは養蚕にとっては最大の害虫と言われている。木全体に蔓延すると葉の成長に影響する。
お蚕様(おかいこさま)が葉に付いた卵や幼虫も食べると発育に障害をもたらす。
疾病に対する抵抗力が低下し死亡率が高まる。繭も小さくなるのだと云う。

谷中湖の周辺では、最近多くなっているように思える。

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5月19日   オオヨシキリ

ヨシ焼きの火に煽られて枯れた桑の木に大葦切
スズメ目ヨシキリ科の夏鳥。
大声で鳴いているのは縄張りを主張しているのだと云う。

それにしても・・・、すさまじい鳴き姿だ。

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5月18日   ショウブ

ヨシ原に踏み込んで探すと菖蒲の花が一つ。
ハナショウブのような派手な花ではなく、花は円筒状の肉穂花序。
雄しべも雌しべもあるが日本のショウブは3倍体で実を付けない。
茎や葉は芳香があるが・・・、別の言い方では臭い。
この臭いが邪気を払うとされ、5月5日の端午の節句にはショウブの葉を軒などに吊るしたことから菖蒲の節句と言った。
(武士の時代になって菖蒲は尚武となったようだ)
この日に菖蒲湯に入るのは、邪気を払って無病息災を願ったことによる。
子どものころの節句は月遅れの6月5日。
ショウブは遊び場だった渡良瀬の河原から採ってきた。
そのころ河原には小さな沼がたくさんあって、その岸辺にショウブがあった。
親から命じられて採ってくるのだが、この円筒形の花(実)を見つけると「間違いない」と思ったものだ。

ショウブは無病息災・邪気払い。
松尾芭蕉は奥の細道の旅の途中、仙台で端午の節句を迎えた折に次のように詠んでいる。

あやめ草足に結ん草履の緒(あやめぐさあしにむすばんぞうりのお)
※ 昔、ショウブをあやめ草と言った。

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5月17日   ヒメタデ(アオヒメタデ)

開けたヨシ原の中に瑞々しい姫蓼
緑白色の花被なので以前はアオヒメタデと呼んできたが、これもレッドリスト種のヒメタデだと云う。
遊水地のヨシ原では普通に見られる。
花期は長く5月から11月まで見られる。タデ科の一年草。
貴重種;絶滅危惧II 類(VU)


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5月16日   オオアブノメ

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減水したままの地内水路に大虻目の大群落。
この時期にキタミソウを見に行くと普通に出会えるが、これほどの大群落は見たことがない。
この群落を発見したのは野木町在住の野鳥写真家。だが、数年前から植物も追いかけている。云わば「鳥と植物の二刀流」のすごい人!

ゴマノハグサ科の一年草。貴重種;絶滅危惧II 類(VU)
下には敷き詰めたようにキタミソウがある。


コツブヌマハリイ

雨が迫っていたので急いで帰ろうと出口に向かうと、小粒沼針藺
右の個体から左に延びているように見える。コツブヌマハリイは根茎が横に這って延び群生する。
1941年(昭和16年)に渡良瀬遊水地で発見されたようだ。
カヤツリグサ科ハリイ属の多年草。貴重種;絶滅危惧II 類(VU)

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5月15日   柳 絮(りゅうじょ)

柳の実が熟し綿毛を纏って宙を舞っている。
俳句の世界では「柳絮飛ぶ」と言い仲春の季語となっているが、この地方では今の時期が盛りだ。
地面に積もった柳絮が風に舞う姿を、通行人から不審の目で見られながらも撮ってきた。



縁石の隙間で柳絮を纏っているのはノミノツヅリだろうか。

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5月12日   ミゾコウジュ

道端のミゾコウジュが花を咲かせている。
遊水地には普通にある。貴重種だが道端や縁石の吹溜りにも住みつく。遷移も激しい。
10数年前、花壇に種子を散らばしたらわんさと芽生えた。種子は落ちたはずの2年目には数個体。3年目には発芽しなかった。
ところが、今年にはその花壇に3本現れて成長している。
とかく野生は難しい。

小さい花ながら存在を主張している。
シソ科の2年草。貴重種;準絶滅危惧種(NT)

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5月10日   コキツネノボタン

道端に小狐の牡丹が実を付けている。
葉の広いケキツネノボタンと比べて葉の裂片がが細く、実は長球形。
キンポウゲ科の一年草。貴重種;絶滅危惧II 類(VU)


オオルリハムシ

よく見ると、葉に大瑠璃羽虫
よくシロネなどのシソ科の植物に付くと言われているが、コキツネノボタンの葉を食べていた。
体色は地域によって異なると云う。
遊水地のオオルリハムシは残念ながら瑠璃色をしていないが人気の昆虫ではある。
ハムシ科。貴重種;準絶滅危惧種(NT)

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5月9日   オニグルミ

鬼胡桃は渡良瀬川の河原や屋敷跡、谷中湖周回路脇にもある。
クルミ科の落葉高木。雌雄同株で雌雄異花。

雌花(左)の子房はすでに膨らんでいるように見える。右は雄花。
秋には鬼でなくては潰せないような堅い胡桃が実る。
金槌で割るのかと思いきや・・・、YouTubeなどで容易な割り方が紹介されている。


カンムリカイツブリ

湖上遥かに夏羽を纏ったカンムリカイツブリ。
カイツブリ科の冬鳥なのだが、今頃何をしているのか。ここで夏を越そうとしているのか。

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5月7日   カジノキ

見上げると梶の木
カジノキはクワ科の落葉高木。単にとも言われる。

カジノキは雌雄異株。左が雌花が右が雄花。
夏になると熟した赤いゼリー状の衣をまとった種子がこの雌花のボールから飛び出してる。

カジノキの木の皮は強靭な和紙の原料となる。
東大寺のお水取りでお坊さんが着る衣はカジノキを原料とした紙子で、古くから宮城県白石市の白石和紙で作られた。

2017年9月に放送された朝日放送の「日本の力」によると・・・、
白石和紙が途絶えたために越前和紙に白羽の矢が当たり、この年紙子用の和紙を600枚奉納したとある。

1945年9月2日。ミズリー艦上で交わされた降伏文書は白石和紙だと云う。

一般に和紙の材料は『コウゾ、ミツマタ、ガンピ』と言われるが、「コウゾ」は広い意味でカジノキも含まれている。
日本で使われるコウゾの半分は輸入されているが、
輸入コウゾの約8割がタイからの輸入で、その8割がカジノキだと云う。


カジノキは神聖な木とも言われ、諏訪大社の神紋は梶の葉をかたどっていう。


ヒメコウゾ

谷中湖の周回路脇の姫楮も花を咲かせている。
ヒメコウゾは雌雄同株。恐ろしいウイルスのような形をしている左が雌花、右が雄花。
雌花の実は、6月に入ると上品な甘さの木苺となる。
クワ科の落葉低木。
はカジノキとヒメコウゾの交雑種だと云う。


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5月2日   キタミソウ自生地

地内水路は11月から減水する。底が現れると様々な植物が芽生えくる。
地内水路が再び増水し底が隠れるのは5月ごろ。
5月の連休明けに増水することが多いのだが、6月の初めになることもある。
いずれにしても底に芽生えた植物は見えなくなり、
キタミソウは水中で消滅してしまう。

オオアブノメ

キタミソウの群落の中に大虻目。この時刻には花は閉じていた。
ゴマノハグサ科の一年草。貴重種;絶滅危惧II 類(VU)

北見草の小さい花が見える。キタミソウはゴマノハグサ科の多年草。貴重種;絶滅危惧II 類(VU)


コギシギシ

廃橋の下で比較的乾いたところに小羊蹄が10数本。
タデ科ギシギシ属の多年草。貴重種;絶滅危惧Ⅱ類(VU)
稀に道端などで見かけることがあるが油断ができない。
昨年見たからといって同じところに今年も出るとは限らないのだ。「来年もあると思うな・・・」の類で神出鬼没!

しかし、この場所では毎年見かける。

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5月1日   ヤセウツボ

ヤセウツボは葉緑素を持たずマメ科などの植物の根に寄生する。
全体が褐色なのだが、稀に黄色い(アルビノ)個体もある。
この子たちはツメクサに寄生している。

地中海沿岸を原産地とする外来植物。ハマウツボ科の一年草。要注意外来生物。


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