2022年7月

直線上に配置

7月25日    庚申塔

23日に「谷中村史跡を守る会」の皆さんによって除草されノダイオウはなくなったが、庚申塔が二つきれいに姿を現わした。
右側には台座が一つ。

庚申塔とは、神仏を祀って徹夜する庚申講に基づいて建てられた塔で庚申塚とも云う。
庚申講の日には、男たちが徹夜で飲み食いした社交娯楽の場でもあったようだ。


青面金剛(しょうめんこんごう)

大きい塔には庚申の本尊「青面金剛」。
右には「下野國都賀郡古川」、「奉造立・享保九年」とある。
享保九年は西暦1724年、将軍徳川吉宗の時代。今から298年前に建てられたことが分かる。



十九夜塔

向かいには十九夜塔が3つ。
十九夜講は女人講。子安講とも言い安産を祈願する講で、女たちが集って経を唱えて飲食した。

70年程昔のこと。外食などすることのない母が「今日は十九夜」と言っていそいそと出かけていったことを憶えている。
そのころはまだ十九夜講が残っていたのだ。

如意輪観音

摩耗している。年代は読み取れなかったが古いものであることは確かだろう。

直線上に配置

7月23日    ノダイオウ

延命院廃寺協同墓地の庚申塔の脇に野大黄
一度刈り取られた株が再生して花径を伸ばし花を咲かせ実ができた。


ギシギシ(右)の仲間だが実(翼状内萼片)には突起がない。
しかし・・・。


この個体には付け根に小さくピンクの膨らみのある実もある。

交雑種も多いようだが、堂々としたでっかい葉っぱに敬意を表してノダイオウとした。
タデ科の多年草。貴重種;絶滅危惧Ⅱ類(VU)

直線上に配置

7月14日    エゾミソハギ

ヨシ原の溝地に蝦夷禊萩
遊水地の夏を代表するような植物。
蝦夷と名が付いているが日本全国にあると云う。湿地の植物である。ミソハギ科の多年草。

地元の古老から『昔は盆花として東京に出荷していた』と聞いている。

東京は、お盆の行事を7月に行うのでエゾミソハギの開花時期と合うということか。

直線上に配置

日本で古くから使われてきた暦は太陰太陽暦(旧暦)が廃止されて太陽暦(新暦)が施行されたのは1873年(明治6年)。

西洋化を進めるためなのか。
旧暦では、この年は閏月があるので実質13か月になるので月給制になった官吏への支払いが節約できるからか。

いずれにしても大変な混乱があったようだ。


突然の施行で、前年の12月2日の次の日は明治6年の正月(1月1日)となっちゃった。
新暦施行の明治6年のお盆は7月15日(旧暦では6月21日)にやれということか。
この年の旧暦では閏6月があったので、本来のお盆(旧暦7月15日)は新暦では9月6日なんだぞ。

こんなことで・・・、庶民は月遅れという知恵を出して8月15日にお盆の行事を行うことにしたのだろうか。

帝都東京は明治政府の意地で新暦7月15日をお盆としたため、エゾミソハギも盆花として使用されるようになった。

などと、妄想をめぐらしている散歩人ではある。

直線上に配置

7月11日    ササゴイ

谷中湖の水際に笹五位
醍醐天皇から正五位を授かったと故事から・・・、羽の文様が笹の葉に似ているとして付けられた名だと云う。

小魚をゲット。これを狙っていたのだ。
サギ科ササゴイ属の夏鳥。


直線上に配置

7月7日   ホソバオグルマ

ヨシ原の隅に細葉小車が咲いている。
道沿いの草原の群落が除草されたので機械の刃から逃れたものが花を咲かせたのだ。


除草された跡には再生の葉が出ている。
ホソバオグルマは除草の刃に切り取られてもビクともしない。
花は咲かないが個体は生き続ける。
一方、群落すべてが花を咲かせると次の年・・・、次の年には消えてしまう。
地下では生きていると思われるが衰えてしまうようだ。

キク科の多年草。貴重種;絶滅危惧II 類(VU)



ヒシの実

2週間ほど前、地内水路沿いのこの道で杖代わりのバイクがパンクした。
ヒシの実に乗り上げたのだ。今日はその場所を調べてみた。
見渡すとヒシの実が10数個。更に200mほど先には30数個が見つかった。
ヒシの実に乗り上げたタイヤは確実にパンクする。


このヒシの実は2019年10月の水害で打ち上げられたものだろう。
当時、ここを通る度に拾って捨てていたのだがまだ残っていた。
道沿いの草が除草機でかき回されるとそこに隠れていたものが散らばってくるのだ。
やっかいだ!

直線上に配置

7月4日   ニガクサ

道端の苦草が咲き始めた。

咲き始めたばかりで花弁が瑞々しい。
花がごちゃごちゃ咲くので上に突き出ている雌しべや雄しべもごちゃごちゃしている。
雄しべは4つ、先が二つに割れているのが雌しべのようだ。

葉を噛むと苦いから苦草なのだが、散歩人は噛んだことはない。
シソ科の多年草。


直線上に配置

7月2日   ゴマノハグサ

ヨシ原から突き出しているのは胡麻の葉草
葉の形がゴマに似るからだとも葉を捩ると胡麻の臭いがするとも・・・。
ゴマノハグサ科の多年草。根を乾燥して漢方薬として用いられると云う。
貴重種;絶滅危惧II 類(VU)
手持ちの図鑑では~150cmとあるが、この個体は200cmを超える。
遊水地ではでかいのがあるのだ。
10数年前だが。第2調節池のヨシ原の真ん中で2m超級が数100林立している光景を見たことがある。

小さな花を覗くと雄しべが4つに、垂れ下がっている雌しべが1本。

それにしても暑い日が続くな~。

直線上に配置