良瀬遊水地トroトロ散歩




2023年5月

直線上に配置

5月31日   コヨシキリ

粗末な仕掛けをぶら下げての散歩で、小さい鳥を見つけても近寄る前に逃げてしまうのだが、
稀に、チャンスを与えてくれる鳥もいる。
小葦切はスズメ目ウグイス科の夏鳥。渡良瀬遊水地の野鳥図鑑には次のようにある。

オオヨシキリほど多くはありません。そのためかコヨシキリはヨシ原の縁に多く、オオヨシキリに遠慮しているように見えます。

直線上に配置

5月27日   マイヅルテンナンショウ

ヨシ原の中に舞鶴天南星
この写真の中には大きい株と小さい株が隠れている。
マイヅルテンナンショウはヨシ原、背丈の伸びた草むらや竹林の中にある。

大きくがっちりとした株が2つ。周りに子どもが数個。
仏炎苞の中には雌花と雄花がある。周りの子どもは仏炎苞を付けてはいるが雄花だけで雌花はない。
マイヅルテンナンショウは雌雄同花だが大きく育って力を蓄えた個体が雌花を付ける。小さい個体は雌花を付けない。
サトイモ科の多年草。 貴重種:絶滅危惧 II 類(VU)



イタチ

谷田川の橋の上から見ると何やら泳いでいる。

のようだ。
谷中湖の周回路などで見かけることも多いが、泳ぐイタチは初めて見た。
イタチは陸生の凶暴な肉食獣で魚やエビなども食べる。
ネコ目イタチ科。

直線上に配置

5月24日   太公望

昨日の雨で洗い流された大気。今日は北よりの風が冷たい。
周回路の林で風除けになる穏やかな湖面にヘラ師たちが棹を置いている。
彼方には・・・。

霊峰富士

富士山が、この季節としては珍しく鮮明な姿を現わした。

直線上に配置

5月22日   黄色い幼虫

ふと見ると黄色い丸っこいものが草にくっ付いている。
草を揺すると落っこちた。


真ん中の黒いのが頭のようだ。
「黄色い幼虫」で検索するとホシアシブトハバチの幼虫とあった。

今日は『生物多様性の日』。
1992年に国連で生物多様性条約が採択されたことに基づいて制定された。

直線上に配置

5月19日   池内水路

第一調節池の池内水路。ここは谷中橋の上流で通称「千本杭」。
水位は相変わらず下がったまま。
10数年前には、11月の第2週に水位が下がって5月の連休明けに水位が上がった。
その後、6月になっても水位が上がらなかったり・・・、
昨年は10月に水位が下がるなど不規則になって予測不能!
昨年から今年にかけて、既に7か月以上露出した状態の川底は、やはり予測不能な植物が繁茂している。
今年はここの川底や岸辺の植生が変わってしまった。

キタミソウやオオアブノメはあるが、以前ここでは見られなかった植物がこの春は多く見られる。


オオアブノメ  キタミソウ

オオアブノメの間に小さなキタミソウが花を咲かせている。

マコモ

七夕の馬は真菰で作る。
子どものころは、親に命じられて用水路などに取りに行った。
最近の用水路は二方又は三方をコンクリートで固められたので見る機会が減った。
遊水地の水路などに群落があるがここで見たことはなかった。
イネ科の多年草。


スズメノテッポウ

10年ほど前に、ここには「ピーピー草」はありますかと聞かれて答えに窮したのだが、
恐らく雀の鉄砲だろうと思った。
子どものころ、切り取って中の茎を抜き葉鞘の上から吹いて遊んだ。
「ピーピー」と音を発するのだ。
ここで見た記憶はないが今年は群生している。
いわるる田んぼの雑草でイネ科の一年草。有史以前の帰化植物だと云う。

直線上に配置

5月17日   ハナムグラ

ヨシ原の中の花葎が小さな花を咲かせている。ハナムグラはアカネ科の多年草。
貴重種;絶滅危惧II 類(VU)

貴重種だがこの時季に遊水地に入ればどこにで普通に見られる。

日当たりのよい群落


ヨシ原の縁に群落。

近寄って見ると、小型のコガネモチのような虫が忙しく動き回っている。

何だろう?
クロアシナガコガネのようだが?

直線上に配置

5月12日   タチスミレ

遊水地でも、10数年前まではまぼろしと言われた立菫だが、近年次々と自生地が発見されている。
ヨシ原の中にひっそりと咲いているので、やみくもに入っても見つけることは難しい。
周りの植物が小さいころに確認しておくと容易に花を見ることができる。


下から覗くと、この子はこんな顔をしていた。
スミレ科の多年草。貴重種:絶滅危惧 II 類(VU)


ここのタチスミレを発見したのは2009年。
その頃はオギが多かったのだが、今年はヒメヨモギ繁茂している。このあたりの様子が変わってきた。


直線上に配置

5月11日   コガモ

野鳥観察台から覗くと、小鴨が数羽動き回っている。
湖面に浮いているのは柳絮(柳の綿毛)。


コガモはこれを吸い込んでいるのだ。
綿毛には小さな種子がくっ付いているのでよい食い物になるのだろう。
コガモは冬鳥なのだが、立夏も過ぎて連日夏日が続いているのにまだ居座っている。
「渡良瀬遊水地の野鳥図鑑」には、
渡来が早く、渡去は遅く、越夏するものもいるかもしれません』とある。

直線上に配置

5月10日   シロネ

背丈よりも高くなったヨシ原は様々な植物で賑わっている。
まだ花を付けていないがこれは白根
対生の葉の付け根に数個の小さな白い花を咲かせる。シソ科の多年草。

中央やや上の左の葉に小さな虫が乗っている。これは・・・。

オオルリハムシ

大瑠璃葉虫はシロネの葉を食べる。ハムシ科。
貴重種;準絶滅危惧種

ハッカハムシ


近くのシロネの葉には黒い虫。薄荷金羽虫のようだ。
ハッカの葉を食べるのでついた名だが、ハッカ以外のシソ科の植物の葉を食べると云う。

直線上に配置

5月9日   イタチハギ

鼬萩が咲き出した。
イタチハギは1912年に渡来した北アメリカ原産のマメ科落葉低木。

乾燥に強く、道路の法面の緑化や砂防用として使われている。足尾でも使われているようだ。
一方有害な外来植物として駆除も行われている。

外来生物法で要注意外来生物に指定され、日本の侵略的外来種ワースト100にも選定されているが、
特定外来種には指定されていないので栽培は規制されていない。
渡良瀬遊水地には、河川敷などに繁茂している。

不思議な取り扱いをされている植物だと・・・、散歩人は思っている。


直線上に配置

5月6日  キタミソウ自生地

キタミソウの自生地は第一調節池の池内水路。
秋に水位が下がって水路の底(川底)が露出すると発芽してくる。
真冬には霜柱に持ち上げられるなどして消えてしまうが、春になるとまた現れる。
今年のキタミソウは水際に群生しているがこの時期としては小さい。

今日確認できたのは、オオアブノメ、カワジシャ、コツブヌマハリイ、コギシギシ。
背の高い植物は、フトイ、ミコシガヤ、アゼナルコ・・・、写真の中央付近にはタデ科の植物が群生している。

近年、この自生地の植生が急速に変貌している。

2017年5月の状態と見ると一目瞭然! 緑の絨毯に見えるのはキタミソウの群落。
今年は大きい植物に置き換わられてしまった。

2017年頃、水位の減水は例年11月の第2週で、増水は次の年の5月連休明けで頃であったが、
最近は減増は予測不能!
昨年(2022年)の秋は、例年より早く10月には水路が減水し川底が露出して今まで続いている。

ここは乾燥化している?

いずれにしても、生態系は少しの変化によっても、微妙に或いは大きく影響される。


カワジシャ

この場所ではほとんど見かけなかった。今年は散見できる。
ゴマノハグサ科の越年草。貴重種;準絶滅危惧種


直線上に配置

5月4日  シロバナタカアザミ

白花高薊が立ち上がってきた。大きく育って6月になるころには白い花を咲かせる。
手持ちの図鑑には~1.5mとあるが、遊水地のタカアザミはでかい。大きく育って3m級になることもある。

キク科の2年草。

10年ほど前までは毎年赤い花を咲かせるものもあったが、最近は見ていない。

秋に赤い花を咲かせる高薊はまだ座ったまま。

直線上に配置

5月3日  コキツネノボタン

ヨシ原の道の小狐牡丹が花がたくさん咲いて実も付けている。
葉が牡丹の葉に似ているので名付けられたと云う。
コキツネノボタンの実(集合果)は長球形。
キンポウゲ科の多年草。有毒。
貴重種:絶滅危惧 II 類(VU



ケキツネノボタン

道端の草むらには毛狐牡丹
下の方の茎に長い毛が密生しているので名づけられたと云うのだが、コキツネノボタンにも同じように毛がある。
ケキツネノボタンの実(集合果)は球形。
キンポウゲ科の多年草。


子どものころ、摘まんでボロボロと実を崩して遊んだ。金平糖と呼んでいたが有毒。

直線上に配置

5月2日  アズマツメクサ

ヨシ原の中にひっそりと育っている東爪草

まだまだ小さいが、写真を拡大すると小さな蕾が開きかけている。
日が高く上がるころには開くかもしれない。
ベンケイソウ科の一年草。貴重種;準絶滅危惧種

直線上に配置